沖プランニングのDX

株式会社沖プランニング DX戦略
策定日:2026年8月10日/策定・承認:代表取締役 [仲里 良太](代表取締役決裁)
建築の経験を、次の価値へ。
株式会社沖プランニングは、建築設計、工事監理、各種調査・診断を通じて、お客様の大切な建物の価値を守り続けてきました。
建築の品質は、図面や仕様だけで決まるものではありません。現場で積み重ねた経験、判断、工夫が品質を左右します。私たちは、その経験を個人の中だけに留めず、図面、施工記録、調査結果、技術資料とともに会社の知識資産へ変えていきます。
沖縄には、高温多湿、台風、塩害など、建物にとって厳しい環境があります。こうした地域特有の課題に向き合いながら、デジタル技術と生成AIを適切に活用し、建築品質、生産性、提案力を一段高い水準へ引き上げます。
私たちにとってDXは、本業である建築の価値を高め、お客様へより良い成果を届けるための経営改革です。
経験と技術を次の仕事へ、次の世代へ、そして地域へつなぐ。沖プランニングは、DXをそのための力として活用し、地域社会から信頼され続ける建築会社を目指します。
1.私たちが目指す未来
私たちの使命
当社は、建築設計、工事監理、建物調査・診断など、建築物のライフサイクルを支える技術サービスを提供しています。お客様の要望だけでなく、その背景にある課題まで捉え、安心・安全・快適な建築空間を実現することを使命としています。
新築、増改築、リフォーム、店舗改装など、一つとして同じ条件のない建築に向き合い、敷地、予算、使い方、維持管理まで見据えて最適な解決策を提案してきました。
一方、自然災害への備え、省エネルギー化、高齢化、既存建物の有効活用、建物の長寿命化など、建築に求められる役割は大きく変化しています。当社はこの変化を、新しい価値を生み出す機会と捉えます。沖縄特有の高温多湿や塩害、結露・カビなどの住環境課題についても、大学・専門機関の知見を柔軟に取り入れ、そこで得た知識を本業である設計・施工・工事監理の品質向上へ還元します。
目指す未来とDXの必要性
人手不足や働き方改革、そして生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展という社会・競争環境の変化は、建築業界にも確実に及んでいます。こうした変化の中で本業の価値を維持・向上させ続けるためには、経験や判断力をデジタル技術で支える体制へ転換することが不可欠だと、当社は考えています。
一つの建築には、図面、見積、工程、施工写真、検査記録、打合せ内容、顧客情報など膨大な情報が生まれます。これらが担当者ごと、媒体ごとに分散すれば、資料を探す時間、最新版の確認、重複入力、伝達漏れが生じ、品質と生産性の両方を損ないます。
当社が目指すDXは、人が持つ経験・知識・判断力をデジタル技術で支え、個人の力を会社全体の力へ変えることです。情報を「保存する」だけでなく、「つなぎ、使い、次の判断に生かす」状態をつくります。
社内システムを構築し設計図面、顧客情報、見積、請求を一元管理することでデジタルツールを個別利用で終わらせず、設計から施工、工事監理、完成後の対応までをつなぐ業務基盤へ発展させます。
また、図面、施工写真、工事記録、顧客との打合せ内容、建物の状態などを蓄積し、必要な人が必要なときに確認できる環境を整えることで、情報伝達の漏れを防ぎ、迅速で正確な判断と一定の品質維持が可能な体制を構築します。
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2.DXで実現すること
建築業務をつなぐデジタル化
設計・施工・工事監理それぞれの工程で生まれる情報を案件全体でつなぎ、次の工程、次の案件でも再利用できる業務基盤を整えます。
• 設計業務: CADソフトを活用して図面の作成、修正、管理を行います。図面の保存場所やファイル名称、改訂履歴に関するルールを統一し、関係者が常に最新版を確認できる環境を整備します。
• 施工段階: 現場で撮影した写真や進捗状況を社内システムやクラウドで共有・保存します。撮影日、現場名、施工箇所、工種などの整理作業をシステム化・ルール化し、工事品質を確認できる正確な施工記録として活用します。
• 工事監理: 設計図書、施工状況、検査結果、変更事項を関連付けて記録します。設計意図と現場の差異を早い段階で把握し、是正内容まで残すことで品質上の問題を未然に防ぎます。
• 情報の一元管理: 見積書、工程表、打合せ記録、施工写真、検査記録、保証情報なども案件ごとに整理し、迅速に確認できる状態を目指します。
• 生成AIの活用: 打合せ内容の整理、文書の下書き、提案内容の検討、過去資料の要約などに生成AIを活用して業務を効率化します。ただし、専門的判断やお客様へ提供する内容の確認は、個人情報・セキュリティに配慮した上で、必ず専門知識を持つ担当者が行います。
こうした情報連携によって資料検索、重複入力、確認待ち、伝達漏れを減らし、生まれた時間を「設計を考える」「現場を確認する」「お客様へより良い提案を行う」業務へ集中させます。
データから新たな建築価値を生み出す
当社は、設計・施工・工事監理で蓄積したデータを次の案件へ活用します。過去の課題と解決方法を共有することで、設計・見積・工程計画の精度を高め、不具合防止と利益率の確保につなげます。
また、工事後の相談や補修履歴も建物ごとに管理し、数年後の問い合わせに対しても過去の工事内容を踏まえた迅速で的確なアフターフォローを実現します。
3Dモデルについても、単に完成イメージを見せるだけでなく、お客様と設計意図を共有し、認識の相違を減らすコミュニケーション手段として活用します。さらに、沖縄特有の住環境課題に関する建物データや、大学・専門機関との連携知見を本業へ還元することで、使用・維持管理・改修までを見据えた長期的な提案を行っていきます。
3.価値を支える仕組み
建築DXを支えるデジタル基盤
当社では、自社専用システム、CADソフト、Google Workspace、LINE、生成AIを、現在の建築業務を支える基本的なデジタルツールとして活用しています。
• 自社専用システム: 顧客管理、原価計算、見積、請求管理を一元化します。
• CADソフト: 設計図面の作成・修正・出力に活用し、ルールに沿ったデータ管理で旧図面による施工や確認漏れを防ぎます。
• Google Workspace: Google Driveを中心に、図面、見積書、工程表、施工写真、工事報告、検査記録、打合せ資料等のフォルダ構成を統一。社内ポータル等を通じて迅速な情報共有体制を構築します。
• LINE: 現場や社内での迅速な連絡・写真共有に活用し、重要な指示・決定事項は正式記録としてGoogle Drive等へ保存します。
• 生成AI: セキュリティ対策を講じた上で、文書作成、情報整理、打合せ事項の要約、提案検討等に利用します。将来的には過去事例の検索・分析支援への活用も検討します。
今後はこれらのツールを業務フローに沿って連携させ、相談受付から設計、見積、施工、工事監理、アフター対応まで、情報が途切れない環境を構築します。
DX推進体制と情報セキュリティ
当社は代表取締役が推進の責任を担い、IT担当者を中心にDX推進体制を構築します。設計・施工・工事監理・事務を兼務するスタッフが日常業務の中から課題をフィードバックし、改善を進めます。
一人が複数の役割を兼ねる少人数体制のため、一度に多くを着手するのではなく、優先順位の高いものから一つずつ確実に進めます。また、定期的に改善サイクルを回し、技術的課題や専門領域については大学・専門機関等の外部知見も積極的に活用します。
情報セキュリティ面においては、顧客情報、建物図面、見積、工事写真等を重要な情報資産と位置付け、以下の対策を実施します。
• アクセス管理: Google Drive等のアクセス権限を必要最小限に設定し、動作ログを記録・保持します。
• 運用ルール: 退職者の権限迅速削除、定期バックアップ、ウイルス対策、画面ロック、OS/ソフトの最新化を徹底します。
• 生成AIの利用規範: 個人情報・機密情報・未公開資料の入力禁止を徹底し、AIの出力内容は必ず担当者が事実関係と専門的妥当性を確認します。
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4.成果への約束
建築品質と業務改革の成果を見える化する
DXの成果は、「導入したツールの数」ではなく、本業がどう変わったかで判断します。当社は以下の4つの視点から成果を確認します。
1.建築品質
図面・施工写真・検査記録・変更経緯を記録し、改善内容を次の案件へつなげることで、設計・施工・監理の精度を継続的に高めます。
2.お客様への提供価値
3Dモデルや過去事例の活用によりわかりやすい提案を行い、打合せ記録の徹底で認識ギャップを防ぎます。過去の施工履歴を踏まえた迅速なアフターフォローを実現します。
3.業務生産性
保管・命名・改訂ルールの標準化により、検索・重複入力・確認待ち・伝達漏れ等のムダを削り、「考える・提案する」時間を増やします。
4.組織力と技術継承
「なぜその設計・工法を選んだのか」「どう課題を解決したか」の経緯まで蓄積し、経験の浅い社員でも過去事例から学べる体制を構築します。また、結露・カビ対策や専門機関との連携知見を組織全体で共有・活用します。
成果指標(KPI)
DX戦略の進捗と成果を客観的に評価するため、以下のKPIを設定します。現状値が未把握の項目は初年度に測定を行い、必要に応じて目標値を調整します。
評価分野 成果指標 3年後の目標
建築品質 設計図面・施工写真・検査記録等の電子/クラウド管理率 100%
情報管理 案件別フォルダ構成・図面改訂管理ルールの適用率 100%
現場連携 現場報告のデジタル実施率 100%
業務効率 資料検索・報告書作成に要する時間 現状比30%削減
顧客対応 施工後の問い合わせに対する初動時間 現状比30%短縮
AI活用 生成AIを活用する定型業務数 5業務以上
人材育成 DX・情報セキュリティ研修 月1回以上
経営管理 DX戦略の進捗確認(経営会議等) 半年に1回以上
数字を並べることが目的ではありません。各KPIが、情報管理の標準化、生成AIの活用、業務プロセスの改善とどのようにつながり、最終的に建築品質や顧客価値へ結び付いたかを確認します。
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経営者による進捗管理
代表取締役が半年に一度以上、KPI達成状況、現場の新たな課題、改善効果、セキュリティ運用状態等を確認します。目標未達の場合もプロセスの原因を追究して改善し、効果があった運用は社内標準として展開します。
また、IPAの「DX推進指標」等を活用して定期的に自社の現状を客観的に把握し、戦略の見直しへ反映させます。
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3年間の実行ロードマップ
現在利用しているツール群を活用しながら、段階的にDXを推進します。兼務体制の現場に負担をかけないよう、優先順位の高い施策から着手します。3年目)
・第1段階:情報を整える(1年目)→
・第2段階:情報をつなぐ(2年目)→
・第3段階:情報から新しい価値を生み出す(3年目)
第1段階:情報を整える
1年目は情報管理ルールを整え、現在のツールを正しく使って情報の散在を防ぎます。
• 社内システムによる業務の省力化
• Google Driveの案件別フォルダ構成の統一
• CADソフト図面のファイル名称・改訂番号・保存ルールの統一
• 施工写真の撮影・分類・保存方法の統一
• LINE上の重要事項を正式記録へ移す運用の確立
• 各種書類(見積、工程表、検査記録、報告書)の保存場所の統一
• 情報セキュリティ基本ルールの策定とKPI現状値の測定
第2段階:情報をつなぐ(2年目)
保存した情報を「使える情報」へ変え、各部門・担当者間で相互利用できる状態をつくります。
• 設計図面、施工写真、検査記録の関連付け
• 打合せ内容・変更事項・工事記録の一元管理
• 顧客・建物ごとの施工履歴の整理と検索性の向上
• 生成AIによる打合せ整理・文書作成・提案支援の標準化
• 半年ごとのKPI確認と改善サイクルの定着
第3段階:情報から新しい価値を生み出す(3年目)
蓄積したデータを設計品質・見積精度・施工計画・顧客提案・新サービスの高度化へ活用します。
• 過去施工データを活用した設計・見積精度の向上と不具合防止
• 工事中の課題・改善事例の標準化
• 施工後の相談・補修履歴を活用した維持管理提案の展開
• 3Dや過去事例を活用した顧客提案の高度化
• 大学・専門機関連携知見を生かした沖縄の気候・風土に適した建築サービスの開発
DXは一度で終わらせず、「課題把握 → 改善実行 → 効果確認 → 標準化」のPDCAサイクルを継続します。新技術の導入に際しても、流行に流されず、業務適合性、継続利用性、顧客価値、セキュリティを総合的に確認して経営者の責任のもと判断します。
5.人と技術への投資
当社が最も重要な経営資源として位置付けるのは「人」と「技術」です。建築は、お客様の要望を理解する力、建物の状態を読み取る力、設計意図を現場で形にする力、予期せぬ課題に対応する判断力によって支えられています。
人材不足、若手育成、技術の高度化、働き方改革など業界が大きく変化する今だからこそ、人の専門性をさらに高めるためにDXへ投資します。DXは人を置き換えるためではなく、人の力を引き出すための投資です。
設計図面、施工写真、工事記録、検査結果、打合せ内容、改善事例を蓄積し、完成した結果だけでなく「なぜその判断をしたのか」という経緯まで残すことで、個人の経験を再現可能な組織の知的資産へと変えていきます。
• 設計担当者: CADによる図面作成だけでなく、過去の図面や施工事例を会社全体で活用・共有できる力を育てます。
• 施工・工事監理担当者: 写真を単なる記録で終わらせず、品質や判断経緯を確認できる資産として残す視点を養います。
• 事務担当者: 契約・顧客情報を含むプロジェクト情報基盤を適切に維持・管理し、案件全体の情報を正確につなぐ役割を担います。
生成AIも議事録整理、提案作成、情報検索などを支援するツールとして活用し、業務の生産性を高めます。当社が目指すのは、建築と現場を理解した上でデジタル技術を使いこなせる「建築DX人材」の育成です。
6.地域とともに歩む
沖プランニングは、「新たな課題に積極的に関わる」姿勢を大切にします。材料、工法、法令、デジタル技術が変化する中で「今まで通り」に留まらず、お客様や地域社会にとって価値のある技術を学び、試し、本業へ還元します。
高温多湿、台風、塩害など沖縄特有の環境を理解し、その土地に適した建築を提案することは、地域に根差す建築会社の責任です。長寿命化、省エネルギー、災害対応等の地域課題に対して、大学や専門機関との連携知見やデジタル技術を取り入れて対応します。
お客様から預かる図面、建築計画、契約情報、施工写真等の重要情報を適切に守りながら、DX戦略の進捗や成果を継続的に発信してまいります。
経営者自らが変革を進め、建築の経験と新しい技術を次の仕事、次の世代、そして地域社会へつなぐ。それが沖プランニングのDXです。
サイバーセキュリティリスクに対する対応方針
株式会社沖プランニングは、サイバーセキュリティリスクへの対応が経営上の最重要課題の一つと位置づけ、かかる課題に応えるためにサイバーセキュリティ基本法、サイバーセキュリティ経営ガイドライン、その他サイバーセキュリティに関する関係諸法令等を遵守するとともに、継続的な態勢整備に努めます。
1. 経営陣は、サイバーセキュリティリスクが経営上重大なリスクであるとの認識の下、自らリーダーシップを発揮し、サイバー攻撃のリスクの把握と低減・回避のための計画策定などの対策を推進するとともに、事業継続性の確保やサイバー攻撃対策の向上が将来の事業活動・成長に必要なものと位置づけてセキュリティ投資を行います。
2. サイバーセキュリティ対策にかかる情報連携に努め、お客様やお取引業者様、並びに関係官庁・組織・団体等のご関係者様との信頼関係を醸成し、認識するリスクとそれに応じた取り組みの情報開示に努め、関係者との適切なコミュニケーションを確保してまいります。
3. インシデント発生時にも関係者とのコミュニケーションが円滑に進むよう、復旧に向けた手続・マニュアルの整備を行うとともに訓練・演習の実施等復旧対応体制の整備に努め、人材の育成に取り組みます。
4. 当社内のサイバーセキュリティ対策にとどまらず、業務委託先を含めたセキュリティ対策の整備に努めます。また、新たなシステムやサービスの導入時にセキュリティ対策を実施し、関係者が安心・安全にご利用いただけるサービスを提供します
